#5.「ひと夏の恋が残したものは・・・甘くて切ない思い出と「子宮外妊娠」!?」
怖い子宮外妊娠
ボンジュール皆さま。本日もフジ子のぶっちゃけ産婦人科診療コラムへおいでいただきまして誠にメルシーボクーでございます(*_ _)
さて、早くもネタがつきかけてきた(←オイオイ)今回ですが。夏の終わりの風物詩、ひと夏の恋の切ない置きみやげ。そう、今回は「子宮外妊娠」のお話をいたしとうございます。
子宮外妊娠とは文字通り子宮の中ではない場所(一番多いのは卵管)に受精卵がくっついてしまって妊娠してしまう病気。じゃ、卵管に妊娠しちゃうとどうなるかってーと・・・→まず生理が来ない。ヤベー妊娠したかも?とか思うまもなくお腹が痛くなったきたり出血したりする→マジやばくね?とか思ってるうちにどんどん痛みがひどくなる→そうこうしているうちに卵管が破裂して大出血→あっという間に出血性ショック→死。
死ですよ、死。子宮外妊娠を放っておいたらホントにヤバイっすよ。子宮外妊娠なめてんじゃないですよ。
原因のNo.1はクラミジア
避妊をしないで妊娠→人工妊娠中絶を繰り返す女性の多くは、子宮外妊娠も1回や2回、場合によっては数回経験していることが多いんですの。これは、セックスの時にコンドームをしていないために、クラミジアに罹ってしまっていることが多いから。クラミジアは子宮外妊娠の原因のナンバーワンなんですのよ、皆さま。
クラミジアのほかにも、卵管水腫や卵管炎にかかったことがある人は子宮外妊娠になりやすい。なぜかと言えば、卵管は卵巣から排卵された卵子を子宮に運ぶ、という大切な働きをしておりまして、実は受精ってのは、卵巣からやってきた卵子と腟から子宮を通って卵管にやってきた精子が卵管の中で出会って起こるもの。なので、クラミジアやその他の原因による卵管炎や卵管水腫によって、卵管の内部が狭くなったり詰まったりしていると、卵子または受精卵が卵管の途中でひっかかってしまい、そこで妊娠してしまう。つまり子宮外妊娠となりやすい、というワケ。
自分の身体を守るのは自分
ところでこの前も、とある若い未婚女性が妊娠して受診されたんですけどね。彼女、今回は6回目の妊娠。前5回の妊娠は、なんと人工妊娠中絶3回、子宮外妊娠2回。今回は幸いにも子宮外妊娠ではありませんでしたが、結局は人工妊娠中絶を希望されました。もちろん毎回妊娠の度に、病院でピルなどの避妊指導もされているんですけど、全く聞く耳持ちませーん状態。
このままだと、度重なる子宮外妊娠や中絶手術の影響で将来妊娠できなくなる恐れもありますよ、とお話すると、「私、子供いらないですから」とおっしゃいまして。この時ばかりは、さすがにワタクシも悲しくなりました。それならなおさら避妊しなきゃ。自分の体を守れるのは自分しかいないんですから。
ちょっと前までは、子宮外妊娠で命を落とす患者さんも珍しくなかったのですが、最近の医学の進歩によって早期診断が可能となり、この病気で亡くなる方は激減しました。とは言え、運良く早い段階で子宮外妊娠と診断されても、多くの場合には手術が必要で、しかも卵管を切除(取ること)しなければならないことが多いんですの。
子宮外妊娠を繰り返したために卵管の機能が損なわれて妊娠ができなくなってしまった・・・という女性は現在でも残念ながら数多くいらっしゃいます。こういう場合、妊娠するためには体外受精をしなければなりませんが、体外受精には時間とお金がかかりますし、何よりも患者さんの精神的・肉体的な負担が大きいんです。
コンドームを忘れずに
これから夏本番。夏は身も心も開放的になる季節。そう、子宮外妊娠が増える季節なのです。子宮外妊娠を予防するためには、まずはクラミジアやその他の感染症を予防することが大事ですのよ。そう、合い言葉は「愛ラブコンドーム」。信用できるパートナー、と思っていても当てにならないこともありますので(笑)セックスするならコンドーム着用をお忘れなく。それからしつこいようですが、望まぬ妊娠で自分を傷つけないように、避妊をキチンとしてね!
では最後に、ワタクシから一句。「忘れるな。戸締まりと避妊はしっかりと。」それでは皆さま、次回までごきげんよう〜。